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水晶体の解剖

更新日:2021年11月23日

水晶体の解剖を正しく理解することが手術を執刀するに当たっての大前提です。白内障術者に水晶体の解剖図を描いてもらった場合一体何人が正確に描写出来るのでしょうか?


水晶体の眼球内での位置、大きさ、皮質、エピ、核、水晶体線維の走行等、正確に描写出来るでしょうか?眼科医は毎日水晶体を細隙燈顕微鏡で観察はしていますが、描写出来るほどには観察はしていないようです。ですから、手術に際して正確な解剖を知ることは必須事項ですので前眼部OCT画像(図1)を参考にしてご確認ください。


図1は、典型的な前眼部OCT像ですが、水晶体核は水晶体の中央ではなく想像したより後囊よりにあることが分かります。また、水晶体のスリット写真でも同様のことが確認できます。如何ですか、自分の描いた水晶体の解剖図と比較してみてください。人の水晶体は一生を通じて水晶体赤道部で水晶体線維細胞が増殖し前極から後極に至る弓状の水晶体線維を産生しその水晶体線維は中心部に向かい積み重なって行き徐々に硬い核を形成します。これにより、図3-5に示すような線維走行を持った水晶体になります。水晶体核も同様の線維走行を持つため、この走行に沿ってフックを打ち込むと核は薪が割れるように綺麗に割れることになります。ヒトの水晶体の大きさは、年齢とともにやや大きくなりますが、直径9-10mm厚さ4-5mmで、核は直径4-8mm厚さ2-5mm位です。





水晶体嚢の厚さは、前嚢が約14μm、赤道部が約22μm、後囊が約4μmで後囊が特に薄いことがわかります。このため、後囊の扱いには特別な注意が必要で不必要な後囊研磨はすべきではないことが理解できるでしょう。最新の人工レンズは後囊との癒着が強くて後発白内障の発生頻度が低下しているとともに後発白内障が発症してもYAGレーザーで簡単に処理が可能です。ですから、後囊研磨に執着することなく後囊破損とそれに引き続く硝子体脱出を避けることに注力しましょう。

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