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ドレーピング(テガダーム)

更新日:2021年11月20日

凸凹のある部位(内眼角近傍)に伸縮性の低いドレープを隙間なく貼り付けることは意外と難しいものです。このため、伸縮性のあるテガダームでドレープと皮膚、睫毛を覆い感染予防する必要があります。


呼気の漏れは術中感染の原因になり、硝子体手術時のレンズのくもりの原因にもなる為その予防が必要です。眼瞼皮膚、睫毛根部や眼表面に水分があるとテープは張り付かずに剥がれてしまうため、滅菌ガーゼにより水分を充分に拭き取ります。その後テガダームを内眼角下方から下眼瞼に張りつけテガダーム上から左手中指で下眼瞼瞼板を軽く眼球方向に押します。眼瞼縁が立ち上がりそれに伴い睫毛も外反し眼瞼皮膚側に倒れテガダームに睫毛が貼りつきやすくなります。その後、右手人差し指で直接上眼瞼を眉毛方向に軽く引っ張るか強く閉瞼する患者さんでは上眼瞼瞼板を眼球方向に押して、眼瞼縁を立たせ睫毛を上眼瞼皮膚側にねかせた後、テガダーム上から左手人差し指の腹を瞼裂に沿って角膜を軽く押しながらテガダームを貼り付けます。この時、眼を閉じる患者が多いですが、人差し指の腹を瞼裂に挟み込む事で上下眼瞼にスペースを開けられます。睫毛は眼瞼皮膚上にテガダームにより貼り付けられ、テガダーム越しに眼球が透見されます。上眼瞼縁にテガダームを貼付したのち上眼瞼を引き上げる様にテガダームを引っ張り眉毛を覆う様に上眼瞼皮膚に貼り付けます。こうすると、瞼裂が大きく開き睫毛根部を覆うためのテガダームが十分確保できます。その後、顕微鏡下でテガダームを切開します。眼科剪刀でテガダームに小さな切開を加え剪刀の刃先をテガダーム下に挿入した後角膜上を避けながら刃先を進め一気に切開しましょう。その後、上下のテガダームが張り付いて扱い難くなることがあるため、麻酔点眼等で濡らすことでテープが上下に張り付くことを予防しましょう。(ビデオ 開瞼器



切開時剪刀による角膜損傷を避けるために眼球を左右に動かすよう患者さんに声かけする術者がいますが決してしない様にお願いします。右向けや眼を右に動かす様言われるとほとんどの患者は顔自体を動かします。顔が動いてしまうと、ドレーピング前にセッティングした眼球や頭の位置がずれてしまいます。ドレーピングした後、患者さんの頭の位置を正確に把握するのは意外と難しいものです。

顕微鏡を使わずにテガダームを切開する術者もいますが眼科手術は顕微鏡下が基本であり、すべての手技は顕微鏡下で行うべきです。角結膜の損傷や眼瞼皮膚の誤切開も予防できます。

切開したテガダームを開瞼器により巻き込み眼瞼縁を覆うようにして感染予防を行います。 この時、テガダームが眼瞼の内側に折り畳めない場合がありますが、その場合は開瞼器を時計回りまたは反時計回りに何回か回転すると折り畳めます(ビデオ 開瞼器)。



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