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OVD 粘弾性物質

更新日:2021年11月21日

分散型(シェルガン、ビスコート)、凝集型(オペガンハイ、プロビスク、ヒーロン)、viscoadaptive型(ヒーロンV)の3種を使い分ける必要があります。



最低三種類は用意しておくとトラブル発生時や、トラブル予防に使えます。また、トラブル発生時だけviscoadaptive型を使う術者も多いと思いますが、使い慣れないものを緊急時にだけ使うとさらなるトラブルを誘発する危険があるため使い慣れておくためにも3種類を常時使うことを奨励します。

OVD注入中に空気が前房内に迷入することがありますが、分散型OVDが角膜内皮をしっかり覆っているとバブルが強く付着してしまい除去に手惑うことがあります。初心者には結構難しい手技でもあります。これを防止するためには、注入針を連結する前に注入針の連結部を灌流液で満たしておくだけで予防できます。灌流液注入用シリンジも同様に空気を抜いた後のシリンジと連結すれば空気の漏れを防止できます。逆に、注入針を連結後にシリンジ内の空気を抜くために指で弾いて空気抜きを行うと更に空気が出易くなります。無駄なことは止めさせましょう。


初心者は、サイドポートから鈍針を挿入しようとしてもなかなか挿入できない場合があります。これは挿入方向が間違っているからです。初心者は、挿入した鈍針が前嚢や虹彩にぶつかる事に恐怖を抱いています。だから、挿入角度は水晶体前面に平行になっていることが多いから角膜切開面の上方角膜にぶつかりそれ以上挿入できなくなってしまいます(図9-❷)。逆に、虹彩方向に向けて鈍針を挿入すると角膜創の下方角膜のスロープを滑り落ちるように引っ掛かることなく挿入できます(図9-❶)。ゆっくりと手技を行うと前房に鈍針先端の挿入が確認できるので、それ以降は挿入角度を変えて挿入すれば虹彩や前嚢損傷は予防できます(図9)。



Soft shell technique

角膜保護のためには分散型OVDにより前房を全置換してOVDを角膜内皮に十分付着させることです。しかし、分散型OVD下でのCCCは一寸だけ難しいと思います。凝集型OVDを使った場合と比較すると切開した前嚢の自由な動きをOVDが阻害して前嚢が扱い難くなるからです。このため、Soft shell techniqueが必要になります。内皮細胞保護に優れた分散型OVDと前嚢扱いがし易い凝集型OVDを使うことで両者の良いところだけ生かすことができます。

その方法は、ポートから分散型OVDを水晶体中央部の前嚢表面に勢い良く吹きかける感じで注入すします。そうすることで、OVDが糸状に噴出して3次元的に折り重なり前房内を満たすことになります。これは、あたかもモンブランケーキの上に乗るマロンクリームの様です。こうして出来上がったマロンクリームの下に生クリームを注入するように凝集型OVDを今度は水晶体中央部の前嚢直上でゆっくり注入するとOVDは一塊となってお饅頭状に膨れて行きマロンクリーム状の分散型OVDを角膜内皮方向に持ち上げ角膜内面全体に付着します(ビデオ)。分散型OVDを一塊として中央部や周辺部に注入後、凝集型OVDで角膜内皮に付着させる方法が一般的ですが、この方法の欠点は、周辺部に分散型を付着させ難いことです。糸状のOVDは隅角近傍にも行き渡っているため周辺角膜内皮にも容易に付着させられます。



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