硝子体圧が強い場合は、サイドポートからそれ以外は角膜創口から注入します。針先が嚢に引っかからない様にOVDを注入しながら針先の通過する道を確保してCCC中央部まで針先を進めます。
その位置で凝集型OVDを注入し、バッグが広がるにつれて針先を後囊方向に移動させ更にバッグを膨らませます。針先が前嚢より上方に位置するとOVDが前嚢を下方に押し下げてしまうので針先は前嚢下に位置させましょう。またOVDの注入量が少なすぎると、IOL挿入時に後囊を引っ掛けて後囊破損の原因になります。逆に、OVDが漏れ出るまで注入した状態でIOLを挿入すると、高眼圧になり眼痛等の原因になります。挿入するIOLの体積を考慮してOVDの量を調節してください。最新のプリセット眼内レンズは挿入時にOVDが角膜創口から漏れないため、注入し過ぎた場合は少しOVDを抜いてからIOLを挿入しましょう。
針先をいろんな方向に移動させてOVDを注入する術者がいますが、後囊の引っ掛け事故の原因になるため止めましょう。凝集型のOVDは、嚢の中央部にOVDを注入すると一塊となって嚢を開いて行きます。
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