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IOL挿入

更新日:2021年12月6日

安定した挿入と感染症対策としてプリセットのIOLを選択すべきです。そのため、2.4mmの創口を広げることなく挿入できるシングルピースのIOLを好んで使っている術者が多いようです。





インジェクターが精巧で安全装備のあるHOYA製品(HOYA Vivinex™ multiSert™)が一番優れていて、小さな創口でもカートリッジ先端を前房内に挿入できるため、初心者にとっても挿入が簡単なプリセット眼内レンズです。挿入方法は個々のインジェクターによって若干の相違はありますが、基本的には同じ様です。2.4mmの創口では、Alcon、AMOはカートリッジを角膜創口に嵌め込むタイプでHOYAは前房内まで挿入するタイプです。ロケット発射による後囊破損や虹彩損傷の予防のため、回転方式が主流です。シングルピースのIOLはout of the bagにIOLを固定すると続発性緑内障の危険があるため禁忌とされています。このため、バックアップとしてthree piece IOLを必ず用意しましょう。

シングルピースのプリセットIOLの挿入は、簡単で誰にでもできることが特徴です。上記のようにOVDを注入し嚢を拡げたのち、前方ループが前嚢下にあることだけ確かめてインジェクターのスクリュウを最後まで回転してIOLを挿入すれば嚢内にIOLは固定されます。しかし、この挿入方法ではIOLが6時方向の水晶体嚢を6時方向に押し込み12時方向のチン小帯への負荷が危惧されます。これを予防するためには、後方ループが前房内に挿入さた直後にインジェクターのカートリッジを先端を創口から引き抜きプランジャーだけで挿入を続行するとIOLは中央部に挿入されます。この時、プランジャーとIOLの後方ループが密に接した状態を保持したまま IOLと後方ループの付け根を2-3時方向の前嚢下に挿入すると、後方ループは形状記憶効果により自動的に嚢内に挿入されて行きます。CCCの直径が大きい場合や、散瞳不良症例では後方ループがアウトに出てしまうことも多いので慎重に確認しながら手術を行ってください。

AMOのテクニスレンズは、素材が硬いため挿入後元の形状に復帰するまでに時間がかかります。ループが元の形状に戻っていない状態でOVDを吸引するとIOLが嚢から出てしまうことがあるのでフックで押さえたりループが開くのをアシストする必要があります。

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